開催概要
障がいのある児童や生徒は、障がいをどのように捉えているのでしょうか。また、学校関係者、保護者、地域の方々は、"障がいのある子ども"をどのように理解し、支援できるのか。
成長に連れて外見の症状が緩和される障がいもあります。本プログラムは、それぞれの専門家が基本的な講義を行います。障がいに関する基礎知識を正しく理解していただいた上で、現在障がいのある児童や生徒をご担当している学校関係者や保護者への具体的な支援の在り方、さらに保護者等が抱える相談事例を基に講義とケーススタディの二部構成で行います。
受講対象は、幼稚園・保育園・認定子ども園、小・中・高校、特別支援学校等の教諭、大学関係者、保護者及び関心のある方とします。
日程
2015年4月~2015年9月 の不定期日曜日(全5回)
時間
各回とも9:00~12:00(受付は8:40開始)
会場
岐阜大学サテライトキャンパス(JR岐阜駅前)
定員
各回とも募集定員は50名(先着順)です。※定員に達しましたら受付を終了します。
受付は終了しました。
受講料
1回につき1,200円 (ネットワーク大学コンソーシアム岐阜加盟機関の教職員は無料)
対象者
保護者、幼稚園・保育園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校等の教諭、その他本プログラムの内容に関心のある方
講義スケジュール及びテーマ
第1回
4月26日
担当講師所属大学等
岐阜大学教育学部
教授 別府 哲
自閉症スペクトラム児の内面の理解と支援
人の気持ちがうまくわからず場にそぐわない言動をする、こだわり、指示に従わない、思い通りにならないと怒り出す、など、さまざまな「困った」な行動をみせる自閉性スペクトラム障害の子どもたち。しかし、本当は回りの人に認められたい。誉められたいのに「困った」行動をしてしまうことに、彼・彼女ら自身が「困っている」のではないか?そんな視点で、自閉症スペクトラム児の内面を一緒に考えてみたいと思います。
第2回
5月24日
担当講師所属大学等
岐阜大学大学院教育学研究科
准教授 坂本 裕
障がいの理解と支援
視覚障がいは視覚機能の障がい”。では,“発達障がいは発達機能の障がい”? 障がい・障害・障碍はどう違うの?等々と,自分なりにはわかっているようでいても,改めて問われると説明に窮することが少なくありません。【障がい・障害・障碍】【発達障がい・中途障がい】【知的障がい・精神遅滞】等々の用語の整理・理解を通して,障がいのある子どもたちの支援の基本的な在り方を考えます。
第3回
6月28日
担当講師所属大学等
岐阜大学大学院医学系研究科
准教授 高岡 健
不登校や引きこもりは障がいではない
2010年に厚生労働省は、ひきこもりの人たちには何らかの精神障害がみられるとする評価・支援ガイドラインを公表しました。他方、内閣府の実態調査はこれを批判し、現代社会に背を向けるひきこもりを精神病理ということはできないと指摘しました。後者が正論であることは論を俟ちませんが、両者ともにひきこもり=悪、引き出し=善と考える点では共通しています。このような善意は、子どもや若者を追い詰めるだけの結果に終わるでしょう。
第4回
7月26日
担当講師所属大学等
岐阜聖徳学園大学短期大学部
教授 徳広 圭子
障がいのある児童・生徒の保護者に対する支援
障がいのある児童・生徒を支援するとき、支援者である先生たちと保護者がどう関わるかが大切になる。そのため前半は障がいのある児童・生徒の保護者への支援について、具体的なケースを挙げながら講義する。特に保護者はわが子の障がいをどのように受容するのか理解し、よりよい幼稚園・保育所や学校等との連携・接続について考えてみたい。後半は参加者全員でディスカッションを行い、明日から実践できる保護者支援について演習を行う。
第5回
9月6日
担当講師所属大学等
岐阜大学
教育学部
教授 村瀬 忍
ことばが滑らかに出ない(吃音)と困ること、そしてその解決法
吃音は100人に1人と、多くの人に生じるにもかかわらず、周りから誤解されて一人で悩みを抱えている当事者は数多い。周りの誤解で最も困ったことは、吃音はトレーニングで治ると考えられていることである。吃音への対応は症状を軽減するための対症療法であることを踏まえ、参加者の方々には吃音の症状とは何であるのか、症状の軽減には何が必要であるのかを考察していただく。思いが伝えられないもどかしさに共感できること、それが吃音解決の手がかりであり、だれもが生きやすい社会を構築する第一歩である。